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ざぶん賞実行委員長
東京大学名誉教授
月尾嘉男 月尾嘉男

 もっとも大切な資源「水」について考えて下さい

 地球は奇跡の惑星といわれるほど、宇宙のなかでも珍しい存在です。それは平均十五度という快適な気温、そして豊富な水に恵まれているからです。ところが現在、その地球が危機に直面しています。鉱物資源やエネルギー資源の枯渇、森林や湿原の減少、生命の絶滅の増加、気温の上昇や海面の上昇など、どれも重大な危機ですが、もっとも心配されるのは水の問題です。
 地球の表面の七割は水で覆われ、宇宙から眺めると水色の真珠のように美しい星ですが、その水のほとんどは海水で、人間をはじめとするほとんどの生物が必要とする真水は、残念ながら、ほんのわずかしか存在していません。その貴重な水を人間は気ままに使ってきたために水が不足しはじめ、すでに水を奪いあう争いが世界各地で発生しているほどです。
 日本は一見、水に恵まれた国のようですが、安心はできません。地球規模の気候の変化によって、日本に降り注ぐ雨や雪に変化が発生し、森林の荒廃によって水を保つ役割が低下し、様々な開発によって川や湖の水の汚れも進んでいます。そして日本は世界各地から大量の食料を輸入しているために、穀物や果物に形を変えた水を大量に輸入しているという問題もあります。
 この水を守ることは、日本だけではなく、世界の人々にとって、もっとも重要なことですが、そのためには私たちが、水の重要さに気付き、世界の水を巡る状況を知り、そして水を守るために活動をすることが必要です。それは現在のような状態にしてきた大人の仕事でもありますが、これから地球に生きていく若い人たちに期待したいことです。
 そのようなことを目指して創られたのが「ざぶん賞」です。若い人たちが身の回りで起こっている水の問題を観察し、それを文章に表現することにより、身の回りから地球全体までの水の未来を考えてほしいということです。より多くの若い人たちが参加して、二十一世紀の人類が直面する最大の問題を解決する第一歩になればと思います。
 これまで環境問題に強い関心をもっておられたジャーナリストの筑紫哲也さんが会長として「ざぶん賞」の発展のために尽力してこられました。
その大役の代わりをするのには力不足ですが、会長として、さらに発展するよう努力していきたいと思います。多くの若い人たちの参加を期待しています。

●Profile
月尾 嘉男(つきお よしお)
1942年愛知県生まれ。
1965年東京大学工学部卒業。
1971年東京大学工学系大学院博士課程修了。1978年工学博士。
名古屋大学工学部教授、東京大学工学部教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授、総務省総務審議官などをへて、2003年より東京大学名誉教授。専門はメディア政策。著書は「IT革命のカラクリ」「縮小文明の展望」など。趣味はカヤック、クロスカントリースキー。
【公式ホームページ】
月尾嘉男の洞窟 http://www.tsukio.com/