エソジマモチ(陸稲)復活プロジェクト を通して、地域活性化に貢献
01.活動内容
地域から姿を消した幻の陸稲を復活させる
栃木県はかつて全国的に有名な陸稲の生産地でした。陸稲は、せんべいやおかきの原料となります。かつては用水路が整備されていない高台の宇都宮市内の畑などでは、米の代わりに陸稲が盛んに栽培されていました。この陸稲栽培に貢献した篤農家が、明治時代に現在の宇都宮市江曽島で農業を営んでいた篠崎重五郎です。この農家は、陸稲の種の選抜を繰り返し、収量が多い陸稲をエソジマモチと名前を付け、地域に広め、地域農業の発展に貢献しました。その後、昭和30年代に入り、江曽島地域では、都市化が進み、陸稲の栽培は衰退し、現在では栽培している農家はいなくなり、地域から姿を消し、幻の陸稲となってしまいました。そこで、2016年に本校で教鞭を取っていた橋本智先生が、独立行政法人・農業生物資源研究より、この陸稲の種があることを調べ、取り寄せ、生徒たちと栽培を始め、再び地域に復活させようとプロジェクト活動を始めました。その後、後輩たちはこの種を大切に引継ぎ、少しずつ種を増やしていきました。そして2017年には、地域の農家さんと協働でエソジマモチ作りが始まり、この年の秋、地元にエソジマモチを復活させることができました。 その後、農家さんたちは、エソジマモチの保存会を立ち上げ、この陸稲を大切に守り伝えています。生徒たちは、先輩からのこのプロジェクトを引継ぎ、後世に伝承するため、地元の小学校にエソジマモチの紹介をするための出前授業を開始しました。この取組は現在も継続しています。また、農家さんの畑にエソジマモチの種まきのボランティアや小学生と共に農家さんのエソジマモチ畑の稲刈りなどの活動を継続して行っています。その後、地元の米菓店がこのエソジマモチで、おかきを製造しています。そのおかきを地域のイベントや学校祭などで生徒たちは販売などを行い、エソジマモチを利用した地域活性化に貢献をしています。
02.活動をはじめたきっか
地元の農業への理解を深めるため 地域資源を調べたことが、活動のはじまり。
地元の農業について理解を深めるため、地域資源を調べることにした。そして本校で教鞭を取っていた橋本智先生が、独立行政法人・農業生物資源研究より、この陸稲の種があることを調べ、その種を取り寄せたことが始まりです。そして2016年に、生徒たちがエソジマモチの栽培を始め、再び地域に復活させようとプロジェクト活動を立ち上げ活動を開始しました。先輩たちのこの活動を後世に残し、伝承するためにできることを考え、農家や地元の小学校や企業といっしょに行動を開始しました。
03.活動を通して学んだことや感じたこと
郷土への誇り、そしてやりがいや絆を見つけた
エソジマモチの復活プロジェクトを通して、地元の農業を理解することができ、新たな目標や課題を発見することが出来ました。当時、地域のために尽力をしていた篠崎重五郎という篤農家を学ぶことができました。こうした方の努力や行動を知ることで、改めて、郷土に誇りを持つことや農業の専門を学ぶことへのやりがいや魅力を感じるがででました。農家さんの種まきや刈り取りボランティアの活動を通して、コミュニケーションを身に付けることができたり、友人たちとの絆を深めることができたと思います。
04.活動継続のためにしている工夫
多くの人たちに理解を深めてもらう活動の継続
エソジマモチの復活プロジェクトを後世に継承していくためには、この地域資源を利用した地域活性化の活動を継続していかなければなりません。そのため、私たちはこのチームを多くの人たちに知ってもらうため、時代にあった栽培方法を広めたり、現在、販売されていないエソジマモチの種を守っていくように学校の畑で栽培を継続しています。さらに、校内の研究発表会や地元の小学校での活動の様子やエソジマモチの紹介などを通して、多くの人たちに理解を深める活動を継続しています。
活動略歴
2016年 | 宇都宮白楊高等学校で研究所でもらった種でエソジマモチの栽培を開始。 都宮白楊高等学校で増やした種を地元の農家さんと協働で栽培を開始。 |
2017年 | 宇都宮白楊高等学校でもエソジマモチの栽培(~現在)※種もみの確保のため |
2022年 | 農家さんと秋祭りに参加 |
2023年 | エソジマおかきの販売(白楊祭) 宇都宮市横川西小学校の5年生に向けて出前授業 宇都宮市横川西小学校の5年生と農家さんの畑の稲刈り交流 エソジマおかきの販売(白楊祭) |
2024年 | 宇都宮市横川西小学校の5年生に向けて出前授業 農家さんの畑で種まきのボランティア 宇都宮市横川西小学校の5年生と農家さんの畑の稲刈り交流(予定) エソジマおかきの販売(白楊祭)(予定) |